近年、国際機関や各国の政府、企業が、その対策を急いでいるプラスチックごみ問題。日本のコカ・コーラシステムでも、コカ・コーラ社がグローバルで掲げている「廃棄物ゼロ社会(World Without Waste)」を実現するべく、使用済みPETボトルを新品のPETボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」リサイクル活動に力を入れています。PETボトルのリサイクルでは、繊維やシートなどへの再生も行われていますが、この「ボトルtoボトル」リサイクルならば、環境負荷の少ないPETボトルの製造が可能です。そんな地球に優しいPETボトルについて、詳しくご紹介していきましょう。

文=『Coca-Cola Journey』編集部
イラスト=宮内大樹

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■リサイクルしやすいPETボトルってどういうもの?

日本では、1995年に制定された「容器包装リサイクル法」に基づいて、PETボトルはリサイクルが義務付けられており、ボトルやラベル、キャップ等の製造に関する基準が設けられています。たとえば、ボトルは着色しないこと、ボトルに印刷しないこと、剥がしやすいラベルにすること……といった「よりリサイクルしやすいPETボトルとなるように」ガイドラインが示されているのです。

「ボトルtoボトル」で進化するリサイクル

 

■使用済みPETボトルから新品のPETボトルをつくりだす!

このようなルールに基づいて製造されたPETボトルは、使用後に繊維などに再利用されますが、今注目されているのが、「ボトルtoボトル」リサイクル。飲料や特定調味料(*1)などで使用したPETボトルを、使用前のボトルと同品質の透明なPETボトルに再生する技術です。近年、飲料用のPETボトルにはこの「ボトルtoボトル」リサイクルPETを採用する動きが高まっています。

「ボトルtoボトル」リサイクルでつくられるPETボトルが、再生前と同品質を実現できるのは、リサイクルの工程で異物を完全に除去するからです。また、その品質はPETボトルリサイクル推進協議会によって厳しく管理されています。評価基準をクリアする必要があるのはもちろん、リサイクルPETが市場に出荷される際には、事前に同協会に報告書を提出し受理されなくてはならないのです。このように、リサイクルPETは非常に厳しく管理され、その品質を保っているわけです。

*1特定調味料……しょうゆ、酢、ノンオイルドレッシングなど、内容物に油脂を含まず簡単に洗浄できる調味料

 

■「ボトルtoボトル」でリサイクルPETができるまで

それでは、「ボトルtoボトル」リサイクルの流れを見てみましょう。

「ボトルtoボトル」で進化するリサイクル

「ボトルtoボトル」リサイクルの方法は2種類あります。ケミカルリサイクルは、化学分解により使用済みPETボトルをPET樹脂に加工する方法で、日本では2004年から実用化されています。一方、2011年から日本で実用化されたメカニカルリサイクルは、加熱により汚染物質を除去してPET樹脂に加工する方法です。

この「ボトルtoボトル」が実現できているのは、リサイクル技術の確立、法や規則の整備があってこそ。そして大前提として、飲料を楽しむ一人ひとりの協力も欠かせません。そういった動きと、ますます高まる世界的な環境保全活動を背景に、PETボトルのリサイクルはさらなる進展を遂げていくでしょう。コカ・コーラ社でも、日々の技術革新や、企業・政府団体と連携したさまざまな取り組みの推進など、「廃棄物ゼロ社会」を目指して歩みを進めていきます。

 

*参考文献
日本容器包装リサイクル協会
指定PETボトル自主設計ガイドライン、付属書
PETボトルリサイクル推進協議会
伊坪徳宏ほか, 環境情報科学 学術研究論文集(29), 177-182, 2015

*関連情報
サスティナビリティーレポート2018年度(日本コカ・コーラ株式会社)