文=ジェイ・モイエ

コカ・コーラのネクタイが21本!

2011年、コカ・コーラ社の広報部門で管理職として働くことになったとき、ルーク・ボッグズLuke Boggs)は新しい仕事にふさわしい身なりにしようと考えました。
「それまでの5年間、自宅の地下室を拠点に、カジュアルな格好でフリーランスの仕事をしていました。だから、コカ・コーラ社では1日の大半をネクタイを締めて過ごしたいなと思ったんです」とボッグズは語ります。
入社して数カ月したある日、ボッグズは普段使いのネクタイをどのようなものにしようかと迷っていました。そんなとき、とあるアイデアが彼の頭をよぎり、すぐさまeBayのネットオークションで簡単な検索をかけました。キーワードは「コカ・コーラ」と「ネクタイ」。すると……。
「案の定、ずっと昔使われていたおしゃれなデザインがいくつも出てきました。しかもラッキーなことに、今流行しているネクタイ幅のものもちゃんとありました。新入りの僕だからこそ、これを身につける意味があると思ったんです」

コカ・コーラ社の広報マンが身につけている
「コーク印ネクタイ」の秘密
Ties to the Brand


ボッグズは今日までコカ・コーラのビンテージネクタイを少しずつ買い集めてきました。それらネクタイのほとんどは、1980年代につくられたものではないかとボッグズは考えています。「70年代製だったら幅がもっと広いし、60年代の初めだと、逆にすごく細くなりますから」(ボッグズ)。現在その数は21本に達していますが、今後もまだまだ増える予定です。
彼の近頃のお気に入りは紺色のネクタイで、斜めストライプの間にごく小さなコカ・コーラのボトルが配されたデザイン。フランスの高級ファッションブランド、ジバンシーがつくった1本です。これまでのところ、ネクタイ1本に支払った金額は30ドル以下(一番高かったのはコカ・コーラFIFAがブランド提携の下につくったもの)で、大半は5~10ドルで入手してきました。
「お金のかかる趣味にはなっていません。……今のところはね」

コカ・コーラ社の広報マンが身につけている
「コーク印ネクタイ」の秘密
Ties to the Brand



ネクタイが触媒になって結ばれた人たち

ボッグズが集めているネクタイの多くは、数十年前にコカ・コーラ社のセールスマンや管理職が使っていた公式アイテムのようです。「『本物』だという点が、僕にはグッときますね」と、彼は、インタビュー当日締めていた鮮やかな赤のネクタイに目をやりました。「消費者向けのデザインだったら、模様がもっと大きくてノベルティのような印象になっていたと思うけど、僕が集めているものは、もっとさりげない形でブランドを見せています。30~40年前にこのネクタイを使っていた人たちがどんな人生を送っていたのかを想像するのも楽しいですよ」。
ネクタイは見知らぬ人と会話を始めるきっかけにもなっています。「お店やレストランに行くと、『コカ・コーラの社員ですか?』と訊いてくる人がいます。そして彼らは決まって、コカ・コーラをはじめとする当社の製品をいかに好きなのかを伝えてくれるんです」 。
アトランタ育ちのボッグズ自身、祖父母と両親のコカ・コーラ愛を濃厚に受け継いでいます。「僕の一族は、1日の終わりに寝酒代わりにコカ・コーラを飲むことが大好きなんですよ」。
彼がこれまで味わってきたコカ・コーラの中でも“最高のコカ・コーラ”は、地元の祖母の家で飲んだものだそうです。「僕が庭の芝刈りをしてあげると、祖母は毎度フライパンでものすごくおいしいハンバーガーをつくってくれて、必ず一緒にコカ・コーラを出してくれたんです。彼女はそのとき、コカ・コーラのことを『コーコーラ』って呼んでました。僕にとっての、最高のお昼ごはんの思い出ですね」。

コカ・コーラ社の広報マンが身につけている
「コーク印ネクタイ」の秘密
Ties to the Brand


少し前、ボッグズは近所のピザ屋でアフリカから来たという人なつっこい女性に話しかけられました。彼女はさまざまな言語で「コカ・コーラ」と書かれたボッグズのネクタイに目をとめたのです。
「その女性は僕のネクタイを指さして、『これが私の言葉よ』と言いました。この事例から、コカ・コーラというブランドの普遍性が理解できるかと思います。コカ・コーラと自国の言語が記されたネクタイがあれば、どこの出身であろうと、誰でも親しみを感じることができるんです」
ボッグズのネクタイはコカ・コーラ社内でも会話を引き起こす触媒になっています。あるときは偶然会った幹部社員に話しかけられました。「おい、それは俺が80年代に持ってたネクタイじゃないか!」。

コカ・コーラ社の広報マンが身につけている
「コーク印ネクタイ」の秘密
Ties to the Brand


次のページ>> 見つけた! ネクタイ以外のお宝コークグッズ