2018年12月16日、ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)の最高経営責任者(CEO)ジェームズ・クインシーが、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現に向けて語った記事を米国ワシントン・ポスト紙に寄稿しました。今年1月、「2030年までに、販売した量と同等量のボトルと缶の回収とリサイクルを目指す」というグローバル目標を掲げたコカ・コーラ社。この1年で目標達成に向けて行った取り組みとその成果、そして今後に向けた意気込みをクインシーが語ります。

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次世代にどのような世界を残していくのか……私はいつもそのことを気にかけています。PETボトルや缶が、海や川へ流出する事態を防げるのか。かけがえのない地球環境を破壊することなく、現在使用されている容器の利便性を安全に享受できるのか。プラスチック容器を何度もリサイクルして使用する「廃棄物ゼロ社会(World Without Waste)」は実現可能なのか。

私は、可能だと考えています。本年初頭、ザ コカ・コーラ カンパニーは「廃棄物ゼロ社会」と冠した意欲的な取り組みを開始しました。当社は、2030年までに販売した量と同等量のボトルと缶の回収とリサイクルを目指します。さらに、2025年までに100%リサイクル可能な容器を導入し、2030年までにボトルと缶の原材料の50%をリサイクル素材とする目標も設定しました。

「廃棄物ゼロ社会」実現に向けて歩む、コカ・コーラ社の現在地

そんなビジョンを発表してから1年が経とうとしている今、どのような成果があがっているのでしょうか。

2018年初め、コカ・コーラ社が世界で販売する製品に使用される容器の85%がリサイクル可能でしたが、今では87%に上昇しています。一部の国では、製品に使用されるボトルや缶の25%以上にリサイクル素材を使用しており、すでに3カ国で100%リサイクル素材を採用したPETボトルを販売しています。コカ・コーラ社の事業は幅広く、取り組みの進展には時間を要するため、目標を達成するのは容易なことではありません。しかし、言い訳は何の役にも立ちません。確実に問題を解決するために、よりスピードを上げて努力を重ねていくしかないのです。かけがえのない地球を守るべく、今こそ思い切った行動を起こすべきです。

「廃棄物ゼロ社会」実現に向けて歩む、コカ・コーラ社の現在地

「2018年初め、コカ・コーラ社が世界で使用する容器の85%がリサイクル可能でしたが、
今では87%に上昇しています」

コカ・コーラ社は、再生可能な植物由来素材を含む100%リサイクル可能なPETボトル「プラントボトル(PlantBottle)TM」を世界に先駆けて開発し、大きなインパクトを与えました。10年以上にわってコカ・コーラ社はこの分野のイノベーションをリードしており、「プラントボトルTM」のバイオプラスチック技術の特許も所有しています。しかし、この革新的な技術の特許を独占するのは賢い選択とはいえません。コカ・コーラ社は昨今のバイオプラスチックへの関心の高まりを受けて、より多くの企業がこの技術を広く活用できるよう、2018年12月16日より技術情報を開示しています。

「プラントボトルTM」では、PETボトルに使用される石油由来の原材料の最大30%を、サトウキビなどの植物由来の素材で代替しています。2009年に「プラントボトルTM」を導入して以来、自動車約100万台分に相当するCO2排出量を削減してきました。しかし、これだけでは十分ではありません。地球環境を守るためには、より多くの企業がこの技術を活用し、さらなる成果をあげる必要があります。

「廃棄物ゼロ社会」実現に向けて歩む、コカ・コーラ社の現在地

「プラントボトルTM」に限らず、地球環境に対する私たちの意識を根本的に変える必要があるのです。地球環境の保護に役立つアイディアを独り占めしている猶予はありません。コカ・コーラ社にとってこれは大きなチャレンジですが、様々な企業とパートナーシップを築き、ステークホルダーと連携して、引き続き革新的なアイディアを生み出し続けていきます。

「プラントボトルTM」に関しては、技術の共有に加え、植物由来素材を増量する取り組みも進めています。また、容器の軽量化や、より多くのリサイクル素材を容器に活用できるよう技術開発にも投資しています。さらに、容器回収ボックスや回収センターの設置など、リサイクル活動も推進しています。こうした取り組みを、地球上のほぼすべての国で展開しているのです。

また、世界経済フォーラムの「Global Plastic Action Partnership」などと長期的なパートナーシップを築き、全世界でプラスチック循環経済の構築をサポートしています。新たなインフラ整備のため、他社と共同で「Circulate Capital Ocean Fund」にも出資しました。このファンドについては今年10月に発表されましたが、海洋や自然環境を汚染するプラスチック廃棄物削減のためのソリューション開発に必要な資金不足の解消を図ることを目的としています。

こうした取り組みは、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。たとえば、かつて南アフリカはプラスチック廃棄物であふれていました。しかし、ここ10年でリサイクル率は10%未満から67%にまで伸びています。プラスチック容器の大手メーカー、小売店、ユーザーが手を取りあって「PETCO」と呼ばれる団体を設立し、リサイクルの仕組みを構築する資金を拠出しました。「PETCO」は、回収した使用済みプラスチックの買い取りを保証しています。コカ・コーラ社は、プラスチックの梱包用、保管用の設備をはじめとする回収センターのインフラを提供しました。

「PETCO」について特筆すべき点は、使用済みプラスチックの最低買い取り価格を保証することで市場を確立したことです。その結果、プラスチック廃棄物の海洋投棄や埋め立て処分の抑止につながっただけでなく、南アフリカで生産したプラスチックのリサイクルと再利用を南アフリカで行う、という自国内で循環させるサイクルの構築を実現することができたのです。

こうした循環型の経済を実現させるには、多くの人や組織が継続的に協力する必要がありますが、その一方で、循環型経済を通じて、効果的に収益を上げることも可能です。私たちは「廃棄物ゼロ社会」は実現可能であると確信しています。できることは何でも率先して行い、自らの役割を果たします。「プラントボトルTM」の技術情報開示はその一環であり、最善の選択であると信じています。

「廃棄物ゼロ社会」実現に向けて歩む、コカ・コーラ社の現在地

「プラントボトルTM」の技術情報開示は“特効薬”ではありませんが、目標実現に向けた着実な一歩であり、同様の取り組みが広がることを期待しています。プラスチック容器の削減や、リサイクルの呼びかけなど、多くの企業が長年この問題に取り組み、成果をあげています。しかし、さらなる努力が必要不可欠です。

企業や政府、NGOが協力し、解決策を見いだし、説明責任を果たすことが求められています。言い訳に終始するか、行動を起こすかは、私たちの選択次第です。共に手を取りあい、今こそ行動を起こす時なのです。

※原文はこちら(英語のみ)